生きる執念

 男に迎合するわけでもなく、同性のルームメートに感化されるわけでもない。『ANNA/アナ』(フランス・米国、リュック=ベッソン)のヒロインは、故国でDV男と離れてから、米ソ双方の諜報機関で殺し屋として、成長していく。

 頼れるのは自分のみ。ファッションモデルもコールガールも仮の姿であり、誰に裏切られようと生きて行けるよう知性を働かせる。肉体を強じんにすればするほど、組織の指令は過酷なものとなり、自由が遠のくというのは皮肉だが、いかなる事態でも生き抜こうとする執念は、国も性差も超越する。

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