自然な死


 寿命を察して、死を迎えるまで過ごす聖地。ガンジス川のほとりにあるバラナシだ。
ガンジスに還る』(インド、シュバシシュ・ブティヤニ)は、息子が父を連れて、施設で最後の時間を共にする。悲壮感はなく、ユーモラスでさえある。インド人の息子とて、ギャップを感じる。仕事に追われていた彼にとって、あまりにも悠然とした時間は、これまでと正反対なのだ。
 いつかは、誰にでも死は訪れる。不自然で陰鬱な延命よりも、自然で明朗な死が、もっと広まってもいい。

アクセスカウンター