情熱と理念


 1970年代、3部構成で社会主義政権の成立と挫折を追った『チリの闘い』(チリ・フランス・キューバ、パトリシオ・グスマン)。撮影者の一人は軍に狙撃されて亡くなった。まさに命を懸けたフィルムだ。
 経営層のスト推進、米政府の物資削減……。既得権者に妨害されながらも、民衆は協力し、知恵を絞る。彼らの情熱を裏切るまいと、アジェンデ大統領は、使命感を持って、抵抗勢力と交渉する。
 イデオロギー優先のドキュメントではない。情熱の詩であり、理念のドラマだ。

アクセスカウンター