老いての夢


 もはやリングで闘うことはできないし、練習相手すら満足に務めることができない。『クリード チャンプを継ぐ男』(米国、ライアン・クーグラー)では、老いたロッキーが、盟友アポロの息子のため、トレーナー役を引き受けて、世界戦に臨む。病を押しての姿が痛々しい。ラストでは、フィラデルフィアの階段を上ることさえ、一苦労だ。
 身体が衰えたとき、何を持って自分の力を誇示できるか。
 老いにつれて、制約は多くなり、克服の壁が厚くなる。夢の実現は、後進に託すしかないのだ。

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