ありふれていない物語


 親しげに見えた女たちの奥底に潜む憎悪。『FORMA』(日本、坂本あゆみ)は、徹底してリアルな日常が、異様な転機によって、救いがたい結末をもたらす。
 場面の反復も、視点の急転も、揺動する世界を描くための必然的技法だった。
 ありそうで、ありえない。ありふれているようで、ありふれていない物語。
 まだ、映画の可能性は、終わっていない。

 

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