本と幸福


本は――わたしたちが生まれるはるか前に出版されたものも含めて――年をとらない。本は現実の時の経過を記録している。またそれを読んだときのことをわたしたちに思いださせるので、過去の何十年かの流れを映しだしているともいえる。(アン・ファディマン、相原真理子・訳『本の愉しみ、書棚の悩み』草思社

 本を集める。眺める。読む。声に出す。
 本は、ただの文字群ではない。本という形になって、五感で味わうことで、読む者を幸福にするのだ。
 そもそも本を読むのは楽しみのためだった。本が書かれるのも、広い意味で楽しみを与えるためだろう。
 本を心と体で味わう幸福を筆者は忘れていない。

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