物語の始まり

mukuku2008-12-13

物語というものは、神代の昔から、この世に起きた出来事を書き遺したもの。正史といわれる「日本紀日本書紀)」などはほんの一部しか書いていない。実は、物語のなかにこそ細かいことが詳しく書いてある。作者はそれを、そのまま書くことはしないし、又いいことも悪いことも、伝えたい事柄を自分の胸に収めきれなくて、書き遺したものが物語の始まり…」と源氏は玉蔓に語るのである。紫式部源氏物語への胸の内が伺えるような気がして興味深いところである。(アナウンサー・加賀美幸子世田谷文学館ニュース』12月号)

 この世には、物語をつむぐことに惹かれる者と、物語を味わうことに惹かれる者とがいる。源氏物語に関しては、圧倒的に後者が多いようだ。

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