彼女が彼女であるために

mukuku2007-12-31

 ピアノ教師の言いなりになるのが、いやだった。『4分間のピアニスト』(ドイツ、クリス・クラウス)の少女は、コンクールの途中で、原曲から外れた演奏を開始する。
 メロディーが美しいか、完成しているかどうかは、問題ではない。彼女が彼女であるためには、荒々しい演奏をするしかなかったのである。
 たとえ将来、彼女の心境が変わっても、このときの自分を否定すべきではないだろう。無意味な過去はないのである。

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