2007-11-11 死者 ちょっと体調を崩し、しばらく持ち応えたかと思いきや、あっさりと死ぬ。死は簡単で、そして、はかない。 松田正隆・作、高瀬久男・演出の『海と日傘』(東池袋・あうるすぽっと)は、自宅で突然倒れた妻が療養のあと、夫にとって、いつのまにか、空想の世界の存在となっている。 死者は見届けられたようでいて、確かな存在ではない。だからこそ、どこかにまだいて、いつか顔を出すような気にさせるのである。