佐藤泰志の世界

 どこか淡く、不足感のある佐藤泰志の小説は、映像化されることで、ようやく完成する。いわば、映画向けの小説なのだ。『きみの鳥は歌える』 (日本、三宅唱)で触れ合う男女3人の世界も、映像でこそ躍動し、空間を広げ、ずっと前からあり、これからも続くような実在感を浮かび上がらせている。

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