不条理な発砲

 父殺しの復讐に燃える少年の予告殺人から免れるため、男は、家族の中でいけにえを選ぶ。
『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(イギリス・アイルランドヨルゴス・ランティモス)は、幸せなはずの家族を容赦なく不幸に陥れる。子どもたちは原因不明の奇病で寝たきりとなり、一家の主は、なす術もない。ロシアンルーレットのために目隠しをして、妻子3人のだれかに発砲する。一人殺せば、他の二人が助かるのだ。もとはと言えば、手術の失敗が患者の遺族である少年を怒らせたからだが、償う道は一つしかないのだ。
 何を言いたいのか、問うべきではない。目的を排した不条理サスペンスである。

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