健全な演劇

 青森県のとある村に原発廃棄物処理施設がある。そこに他国のスパイが侵入し、ミサイル発射の機会をうかがっている。渡辺源四郎商店『空に菜の花、地に鉞』(ザ・スズナリ)が取り扱うのは、日本のどこでも起きうる事態だ。今だからこそ取り入れるべきテーマに対し、即座に反応する演劇は、距離を置くことが高尚であるかのように位置づける小説の世界よりも、よほど健全であろう。

              

                    

 

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