有意義な会議 

 ユダヤ人を物資と考え、その効率的な処分について、出席者が己の立場と思惑にもとづいて、冷徹に主張を展開する。議事録が残されていたため、『ヒトラーのための虐殺会議』(独、マッティ・ゲショネック)では、1942年当時の会議を再現している。

 中身と決定事項がいかなるものであれ、出席した親衛隊や事務次官は、合理的な見解を述べたつもりなのだろう。休憩時間に家族の話題で談笑しながら、90分のやり取りで1100万人の人間の最終処置を決め、出席者は、実に有意義な時間だったと認識したのである。

     

 

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