戦後の痛み

  銃撃戦や前線だけが、戦争の舞台ではない。『戦争と女の顔』(ロシア、カンテミール・バラーゴフ)は、PTSDをかかえる看護師と、帰還した慰安兵という二人の女が、傷心と向き合いながら、戦後の軍人病院で勤めを続けている。唯一の救いだった息子を失った女は、誤って彼を死なせた同僚の女に、代わりに子どもを産むよう迫る。ここには、戦時か否かを越えた、不器用な人々の痛ましさがある。

                            

 

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