青年の行く末

 何をやるのか、方向が定まらない青年。周りには、口下手ながらも思いやりのある親たちや、彼を放任する仲間たちがいるが、『冬薔薇(ふゆそうび)』(日本、阪本順治)は、決して人情話には傾かない。

 彼の羅針盤は、両親や去った人々ではない。新天地に向かった途端、裏切られた彼に、仲間として寄りそうのは、孤独なチンピラだ。行く末は、決して明るいものではない。

        

 

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