どこまでも不運

 彼は、拾った金を正直に返しただけだ。それが大変な善行だと、慈善団体やメディアに取り上げられたものの、債権者との和解交渉や、就職の成否といった現実を解決するわけではない。

『英雄の証明』(イラン・フランス、アスガー・ファルハディー)の服役囚は、婚約者との新生活を果たすどころか、刑務所に逆戻りする。どこまでも不運な人間が、この世には、いる。

     

 

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