死体をめぐって

『ハリーの災難』(米国、アルフレッド・ヒッチコック)のモチーフは、冒頭から死体になっている。彼の処置をめぐって、町の住人は、喜劇的なやり取りに終始する。埋めては堀り返し、また埋める。挙句は風呂場で洗われる死体。自分のせいで死んだのか? 住民の思い込みは、真相から、ことごとく外れている。死体は異臭を感じさせず、置かれた山の紅葉が異様に美しい。かくして、異色でありながら、エピソードにふさわしい展開に収まるのである。

   

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