戦争はまだ・・・

 終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』(NHK)は、捕虜に対する人体実験という実話は元に、死刑囚や家族たちの葛藤を綴る。大学教授の指示によって、手術の立ち合いを強要された鳥居は、首謀者でもなければ、意思決定者でもない。求刑後の嘆願書提出は決してやましいものではないが、現場で何の抵抗もできなかったこと自体が罪ではないかと、苦悩する過程に、ドラマ性と現代性がある。戦争だから仕方ないとか、現場の空気からすればなすすべもないという詭弁が、何の逡巡もなく、まかりとおるとしたら、戦争はまだ続いていると言えるのである。

 

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