浮浪者のための映画

 伯母の遺産を受け継ぐどころか、一文無しになった中年男が、それでも働かずにパリの街をさまよう。金やパートナーのいる人たちにとっては優雅に暮らせる街も、浮浪者にとっては、過ごしやすい場ではない。そんな彼に思いがけぬ結末が訪れるのは、『獅子座』(フランス、エリック・ロメール)が、映画であることの役割を忘れていないからである。

       f:id:mukuku:20210605104732j:plain

 

アクセスカウンター