『野球少女』（韓国、チェ・ユンテ）は、女子として、初のプロ野球選手を目指す高校生の物語。母親に反対されながらも、挫折したコーチや幼なじみのチームメートの支えによって、ひたむきに練習して、プロテストに挑む物語だけなら、定番のドラマに終わるだろう。だが、彼女には、プレイ以外の壁も、立ちはだかる。プロテストですばらしいプレイを見せても、球団が提示したのは、フロント入りにすぎなかった。いい提案だと自負する球団社長に、あくまで選手でいたいと抗議する彼女の姿に、彼女が主人公であることと、彼女が背負ってきたものの重さを、痛感させるのである。
