おみおくりする人


おみおくりの作法』(英国・イタリア、ウベルト・パゾリーニ)では、孤独死専門の民生係が、死者の人生に合わせた弔辞を読み、かかわった者を探し当てて、葬式を手配する。
 実在する職務だ。人が死を迎え、残された者に記憶を伝えるまでが一生だとすれば、欠かせざる役目である。
 この映画の民生係は、リストラで最後の葬式を手配したあとに事故死する。彼は孤独だったが、墓前には大勢の人々が詰めかける。
 訪れたのは、生前の彼に世話になった者たちだ。おみおくりをする人は、生きている者たちばかりとは限らない。

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