記憶されるもの

 
 禁じられる物ほど、人は欲し、身の危険を感じてさえ、あらゆる手段を用いて守ろうとする。
華氏451』(英国・フランス、フランソワ・トリュフォー)で守られるのは、書物だけではない。人の感情を揺るがす事物、いわば自由を守るための抵抗や、先人の遺産を伝承するための高潔さこそが、堅持されるのだ。
 媒体が多様化したとしても、根源的な遺伝子は、どこかで、だれかに、記憶され続けるだろう。

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