映像の美学

 いわゆる現実の風刺劇ではない。船頭が渡し船固執し、文明批判を体現するように見せながらも、力点は映画的な空間と映像美の披露にある。

『ある船頭の話』(日本、オダギリジョー)が成立するのは、映像の美学が貫かれている間だけだ。船頭が橋の完成によって職を失い、少女を逃すためにその地を離れると共に、この叙事詩は終わる。

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